珪藻土ろ過装置は、珪藻土という自然素材をろ過助剤に用いたろ過方式です。
珪藻土には無数の小さな穴が開いており、そこから水を吸水する作用が働きます。この自然の摂理を活かし、ろ材の表面に珪藻土膜(ろ過膜)を形成することで、5µmほどの高精度なろ過を実現。原水に含まれていた懸濁物質は珪藻土膜で捕捉され、その後、ろ過助剤とともに洗浄して排出します。
ろ過方式やろ材の違いなど、循環ろ過装置にはさまざまなタイプがあり、どうやって決めたらいいのか分かりにくいのが実情。
循環ろ過装置選びで鍵となるのは、ポンプや殺菌装置を含む水回り機器をセット提供するメーカーかどうか。設計から保守まで一括管理でき、メンテも初期費用も削減可能です。温浴施設、プール、観賞用の池、それぞれの用途に最適な3社を厳選してご紹介します。
珪藻土ろ過装置の際立つメリットは、ろ過精度の高さです。5µmという微細な物質まで除去可能なろ過能力は、他のろ過方式と比べても非常に優れています。清澄度の高い水を得ることができ、処理速度を速くできるのも利点です。一方、珪藻土の取り扱いは難しく、維持管理には手間がかかります。ランニングコストが割高になるのもデメリットです。
某小学校のプール用に手動型の珪藻土式ろ過装置を導入した事例です。
既存のろ過装置の使用期間は30年、全体に老朽化がすすんでいたため装置を更新しました。新設のろ過装置は珪藻土式のためろ過精度が高いのはもちろん、ろ過タンク本体にステンレス製+焼付塗装を施工したことにより耐久性の向上も実現しました。
新設備の導入では定着性が懸念されるところですが、本機は操作が簡単な手動型装置のためその点も安全性が高いです。ろ過能力は大容量ですが形状はコンパクトなため設置スペースの不安もありません。
競技用やトレーニングにも利用される大型プールに珪藻土式ろ過装置を設置した事例です。
ろ過装置単体というより、プールの施設建設に伴い合わせてろ過装置も設置されました。当施設は学校用のプールやこぢんまりした浴槽でもなく、標高1,730m~1,750mのエリアで水泳の高地トレーニングが行える、かつスポーツの国際大会でも採用されるほどの大型プールです。
このように珪藻土式ろ過装置の優れたろ過能力は幅広いシーンで注目されています。ろ過助剤を用いたろ過方式では珪藻土式が非常にメジャーな存在です。
珪藻土形成のカートリッジフィルターを採用した災害用ろ過装置の納入事例です。
既存施設が老朽化したため新設備に更新しました。珪藻土と活性炭がコラボする形となっており、カートリッジには粉末活性炭をプレコートしています。活性炭は珪藻土同様に吸着性に定評のある炭の一種です。本機のろ過能力は2m³/hとスペックが高く、手動ウイングポンプの搭載により運転も簡単。災害用ろ過装置として緊急時の飲料水や生活用水にも利用できます。
珪藻土式ろ過装置の適用シーンの広さがうかがえる一例といえるでしょう。
このサイトでは循環ろ過装置を取り扱っているメーカー38社の情報を取りまとめています。その中から、循環ろ過装置を含む関連機器をひとまとめにして提供している会社をピックアップ。さらに、問い合わせ窓口を集約することで導入後のアフターサポートも安心の会社を、「使いたい場所」別におすすめのメーカーとしてご紹介しています。
温泉やホテルの浴室、
高齢者施設向け
プール向け
観賞用の池や水槽向け
選定条件:
Googleで「循環ろ過装置」と検索した結果の120件、および「業務用ろ過装置」と検索した結果の160件から、循環式の業務用ろ過装置を取り扱っていることが公式サイトに記載されている会社38社をピックアップ。(調査日:2023年7月4日)
・ノーリツの選定理由:お湯専用の循環ろ過装置を提供していることが公式サイトに記載されている31社の内、ろ過装置の前後工程で使用する機器(熱源機、ろ過ユニット、ろ過昇温ポンプユニット)をひとつのシステムとしてセットで提供し、かつメンテナンス窓口を一本化していることが明記されている唯一の会社として選出
・エヌアイティの選定理由:プール専用の循環ろ過装置を提供する29社の内、ろ過装置の前後工程で使用する機器(5方弁、ヘアキャッチャー、ポンプ、熱源、殺菌装置、制御盤)をひとつのシステムとしてセットで提供していることが明記されており、かつメンテナンス窓口を一本化している唯一の会社として選出
・石垣の選定理由:観賞用の池や水槽専用の循環ろ過装置を提供する11社の内、ポンプが一体化したろ過装置の前後工程(ファイバーキャビン・トルネードキャッチャー)をひとつのシステムとしてセットで提供していることが明記されており、かつメンテナンス窓口を一本化している唯一の会社として選出